XSIのシミュレーション
ヘア > ヘアの作成と削除 > スタイリング > ダイナミクスの適用 > レンダヘアの調整 > 髪色の設定
  Hairプロパティ > Generalタブ > Effectsタブ > Dynamicsタブ > Presetsタブ
   その他 Hair Generator Operator > Hair Dynamics Operator > Hair Renderer シェーダ

ヘアとは
髪の毛や動物の毛などを作成する。ヘアにはフォースや障害物を適用することができ、スタイリングやアニメーションに使用することができる。
ヘアは同じオブジェクトから何回でも作成できる。これにより、違う質感(あるいは長さ)のヘアが混ざって生えているように見せることもできる。


ガイドヘアとレンダヘア
ヘアは、ガイドヘアとレンダヘアの2種類のヘアで表現される。
ガイドヘアは、IKチェインのように動作するカーブで、髪の形状を作るガイドであり、レンダリングはされない。
レンダヘアは、ガイドヘア間を補間して実際にレンダリングされるもの。
HairプロパティDisplay Typeでガイドヘアとレンダヘアの表示を切り替えることができる。
☆カーブから作成したヘアにはガイドヘアは作成されず、レンダヘアのみが作成される。カーブを変形することでレンダヘアを変更できる。


おおまかなヘアの作成手順
1. カーブかジオメトリオブジェクトからヘアを作成する。(ヘアの作成
2. ガイドヘアで長さや形状を調整する。(スタイリング
3. 必要であればヘアオブジェクトにフォースや障害物を設定する。(ダイナミクスの適用
4. ヘアのプロパティでレンダヘアの本数・密度・太さどなど、どういう風にレンダリングするかを設定する。(レンダヘアの調整
5. Hair Renderer Shaderなどでヘアの色を設定する。(髪色の設定
☆2・3・4・5は前後していて構わない。スタイリングにダイナミクスを使用することもできる。


ヘアを適用できるオブジェクト
ヘアは、ポリゴンオブジェクト、NURBSサーフェイスオブジェクト、カーブから作成できる。
  特徴・注意点
ポリゴンオブジェクト ポリゴンの各頂点から1本ずつガイドヘアが作成される。
選択したポリゴン
 
またはポリゴンクラスタ
ポリゴンの各頂点から1本ずつガイドヘアが作成される。デフォルトではヘアの発生部分の広さによってレンダヘアの太さと長さが違うが、ガイドヘアのスタイリングやレンダヘアの設定で調整する。
サブディビジョンサーフェイス ポリゴンの各頂点から1本ずつガイドヘアが作成される。ヘアはサブディビジョンサーフェイスを適用する前の元の頂点の位置から発生する(浮いてしまう)が、Hair Generator OperatorプロパティでEmitter Subd Levelの値をサブディビジョンレベルと合わせることにより、オブジェクトのジオメトリにくっ付けることができる。
NURBSサーフェイスオブジェクト 各頂点から1本ずつガイドヘアが作成される。ポリゴンのようにクラスタを作成してヘアを適用することはできない。
カーブ 3つ以上のポイントを持つ3本以上のカーブから作成される。カーブ上の各ポイントに対して1つのガイドポイントが作成されるので、ポイントの数によりヘアの滑らかさが変わる。作成されるヘアは平たくなる。


ヘアのライティングについて
ライト方向を向くヘア(ショートヘア)は、ライトが照射される面積が少ないため、照射される光量が少なくなる。同様に、ライトに対して垂直方向を向くヘア(ロングヘア)は、そのサーフェイスにおけるライトの照射面積が広いため、ライトの影響を大きく受ける。ヘアを適切にレンダリングするために、Hair RendererシェーダRender Settingsタブで、ヘアに適したシェーディングモデルを選択する必要がある。
また、ヘアに使用するライトは極力少なくする。シーン内にライトが複数ある場合は、ヘアに影響を与える必要のないライトにセレクティブライトの設定をしてヘアを照らさないように設定するとよい。


ヘアのシャドウについて
シーンのオブジェクト上にヘアのシャドウを投影したり、個々のヘアのシャドウが互いのヘア上に投影されるようにすることができる(セルフシャドウ)。さらに、シャドウが計算されるときには、ヘアに設定された透明度の値が考慮される。
シャドウを投影するには、ライトに対してシャドウを有効に設定し、Umbra値を0.2以上にすること。
HairプロパティRender Typeでボリュームを選択していてシャドウマップを使用する場合は、シャドウマップのオプションでRaytracedのタイプをSegment(セグメント)にする。


ヘアのレンダリング品質について
HairプロパティGeneralタブRender qualityで、ヘアのレンダリング品質を設定することができる。ヘアの縮れやカールが少なくセグメントも少ない場合(短いヘアなど)は、処理時間を短縮するためにLow設定を使用する。それ以外の場合は、品質を高めるためにHigh設定を使用する。

また、ヘアにはGeometry Approximationを設定することができる。Geometry ApproximationプロパティのHairタブで、SubdivisionのCurve TypeOGL LevelRender Levelを設定する。
Curve Type
Linear
リニア
1次カーブ(直線)。このオプションを選択すると、OGL LevelとRenderレベルは無効になる。
Quadratic
二次の
2次カーブ(スムーズ)。このオプションでは、ヘアの全長にわたってカーブが連続することは保証されない。
Cubic
キュービック
3次カーブ(最もスムーズ)。このオプションでは、ヘアセグメント間の連続性が保証される。


ヘアのレンダリング時の注意
通常ヘアの本数は径のピクセルよりも少ないため、最小エイリアジングレベルを引き上げると、レイがヘアに当たる確率は増大する。レンダリングでよい結果を得るために、ヘアのサンプリングレベルは一般的なジオメトリより高く設定する。(Render OptionのAliasingのsampling値のMin Level0、Max Level2など)

また、フィルタを使用すると、イメージの品質を保ちながらヘアの過度なサンプリングを避けることができる。4/4サイズでMitchellフィルタを使用すると、イメージの鮮明さをほぼ維持しながら十分なパフォーマンスが得られる。